3年連続で年間平均35万人超 派遣社員の20年実稼働者数調査

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派遣先と派遣元の雇用継続に向けた努力奏功


 日本人材派遣協会が2月18日発表した2020年第4四半期(10~12月)の派遣事業統計調査(508事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均34万5878人(前年同期比7.1%減)で、新型コロナウイルス感染症が拡大した20年第2四半期から3四半期連続で前年同期を下回りました。その結果、20年の年間平均は35万3794人(前年比3.0%減)で7年ぶりに前年割れとなったものの、3年連続で35万人超を維持。政府の一連の雇用対策や派遣元と派遣先の雇用継続に向けた努力も奏功して、大幅な減少を回避しています。

 調査は、会員企業508事業所の協力を得て集計。統計調査を開始した08年の実稼働者数の年間平均は43万161人で、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災などの影響で、11年は30万人を切りました。その後は、景気回復と人手不足を背景に緩やかに上昇し、15年には30万人台、18年に35万人台まで持ち直しています。
 20年を業務別にみると、「一般事務」が16万3719人(同12.3%増)と二ケタの伸び。次いで「貿易」が1万2664人(同7.6%増)、「軽作業」が9051人(同1.6%増)、「財務」が1万965人(同0.6%増)と伸びました。一方で、コロナ禍の影響を受けた「製造」は1万240人(同13.6%減)、「機器操作」は4万8372人(同12.9%減)、「情報処理システム開発」が8740人(同2.3%減)と前年を割り込みました。 「紹介予定派遣」は年間を通して前年割れで、年間平均は3364人(同28.3%減)と大きく落ち込んでいます。このため、成約件数も年間で1万5461人(同16.3%減)となりました。
 短期派遣の「日雇い労働者」(30日以内)は7万1377人(同28.2%減)となり、5年ぶりに前年を下回りました。コロナ禍で、飲食店などの不振が影響しているとみられます。

21年度賃金アップ予定企業は42%

 帝国データバンクが2月15日発表した2021年度「賃金動向に関する企業の意識調査」によると、正社員の賃金改善を見込んでいる企業は42.0%(前年比11.3ポイント減)となり、14年度当時の46.4%と並ぶ7年ぶりの低水準となっています。新型コロナウイルスの感染拡大による業績低迷が主な理由です。
 また、賃金改善が「ない」は28.0%(同7.8ポイント増)、「わからない」も30.0%(同3.5ポイント増)あり、コロナ禍の先行き不透明を反映して、賃金アップに慎重な姿勢をみせている企業の多いことがわかりました。賃金改善がない企業の場合、理由は「自社の業績低迷」が76.7%(同18.6ポイント増)に上り、前年から大幅に増えています。
 規模別では、賃金改善を見込んでいる大企業は38.2%(同11.1ポイント減)ですが、中小企業は42.9%(同11.4ポイント減)、小規模企業でも37.0%(同10.8%減)といずれも1割減となっています。業種別で最も高いのは人手不足に悩む建設業の47.8%(同10.1ポイント減)、最も低いのは金融業の25.2%(同10.9ポイント減)となっています。

20年GDPはマイナス4.8%

 内閣府が2月15日発表した2020年10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除いた実質季節調整値で前期(7~9月)比3.0%増、年率換算で12.7%増と2期連続のプラス成長となりました。名目GDPも各2.5%、10.5%の増。この結果、年間では前年比4.8%減と11年ぶりのマイナス成長。名目も3.9%のマイナス。マイナス幅はリーマン・ショックの影響を受けた09年に次ぐ過去2番目となっています。


取材・文責
(株)アドバンスニュース

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